持病があっても美容医療は受けられる?病状・治療状況別の注意点を医師が解説
「周りはみんな気軽に美容クリニックに行っているのに、私には持病があるから……」
そんなふうに、自分だけ取り残されているような気持ちになったことはありませんか。
「きれいでいたい」「自分を大切にしたい」という気持ちは、誰にとっても自然で、大切な気持ちです。
持病を抱えているからといって、その気持ちが「ぜいたく」になるわけでも「あきらめるべきもの」になるわけでもありません。
実際には、持病があるからといって一律に美容医療が禁止されるわけではないのです。
重要なのは「どのような状態であれば受けられるのか」「どの施術にどんなリスクがあるのか」といった判断基準を正しく理解することです。
本記事では、持病がある方が美容医療を検討する際に押さえておくべき考え方や注意点を、病状別・施術別に整理します。
主治医への相談の進め方まで含めて解説しますので、ご自身に合った選択をするための最初の判断材料として活用してください。
持病があっても美容医療はできる場合もある
持病がある場合は、健康な方と同じ基準で判断できるわけではないため、まずは受けられる条件とリスクが高まりやすい理由を見ていきましょう。
制限はあるものの美容医療が可能なケースもある
持病があると「美容医療はすべて禁止」と思い込んでしまいがちです。
しかし実際には、病状が安定していれば美容クリニックでの美容施術が可能なケースは少なくありません。
米国形成外科学会(ASPS)も、安定した状態の糖尿病・高血圧などは美容医療の候補になり得ると示しています。
一方で、病状が不安定であったり、重篤な合併症がある場合は、施術の延期・中止、またはより高度な医療機関での対応が必要になります。
ここで重要なのは、判断の軸が「病名」ではなく「今どれだけ病状が安定しているか」だという点です。
同じ病名でも、コントロールが良好な状態と不安定な状態では、リスクの大きさがまったく異なります。
「○○という病気だから絶対にダメ」ではなく「今の自分の状態でどこまで可能か」を医師と一緒に確認することが大切です。
持病がある場合にリスクが高まる主な理由
持病がある場合、美容医療におけるリスクは主に身体の反応性や回復力に影響を受けます。
例えば、糖尿病や免疫抑制状態では感染リスクが高まりやすく、血糖コントロールが不良な場合やステロイド使用中では創傷治癒が遅れる傾向があります。
また、抗凝固薬や抗血小板薬を服用している場合は出血や内出血のリスクが上昇します。
心疾患や呼吸器疾患がある場合には、麻酔や鎮静剤に対する反応にも注意が必要です。
ほかにも、精神科薬や甲状腺薬、抗てんかん薬などとの薬剤相互作用も無視できません。
精神症状が不安定な時期には、施術内容の理解や同意の判断に影響が出る可能性もあります。
したがって、薬剤単位での確認と全身状態の総合的な評価が不可欠です。
美容医療を受ける前に必ず確認するべき5つのこと
持病がある方が美容医療を検討する際に、施術前に必ず確認しておきたい5つのポイントを解説します。
①主治医へ事前に相談する

美容クリニックの予約を入れる前に、まず現在通院している病院の主治医に「受けたい施術」を伝えて意見を聞いてみましょう。
美容クリニックによっては、主治医からの紹介状や情報提供書の提出を求める場合もあります。
主治医が美容医療の細かい知識を持っていない場合でも「今の体の状態で侵襲度の高い処置(肌表面に傷をつけるような治療)を受けられるか」を確認するだけでも、大きな意味があります。
主治医に確認しておくとよい内容は以下の通りです。
・現在の病状の安定度
・現在服用している薬の種類と量
・施術前に休薬が必要な薬があるかどうか
・施術全般について、今の時期に受けることへの意見
②美容クリニック側への持病・服薬情報を正確に申告する

持病がある方は、美容クリニックの問診票に嘘を記入することは避けてください。
持病・服薬・アレルギー・手術歴はすべて正確に伝えることが、安全な施術の前提になります。
申告の際に気をつけたいのは、病院で処方されている薬だけでなく、サプリメント・漢方・市販薬も含めて申告することです。
例えば、イチョウ葉エキスや魚油(オメガ3系)など、血液をサラサラにする作用を持つサプリメントもあります。
お薬手帳を持っている場合は、美容クリニックにも必ず持参しましょう。
もし施術中や施術後に体調急変が起きた場合、服薬情報が医師の迅速な対応を助けます。
申告しなかった場合、万が一の合併症の際に適切な対応が遅れるリスクがあります。
③施術のダウンタイムのリスクを考える

ダウンタイムとは、施術後に起こる腫れ・赤み・痛み・内出血・皮むけなど、回復に要する期間のことです。
美容医療に慣れていない方にとっては見落としがちなポイントですが、持病がある場合は特に重要な視点です。
例えば、糖尿病がある場合は傷の回復が遅れる可能性があるため、切開や針を使う施術はダウンタイムが長引くリスクがあります。
心疾患がある場合は、施術後の炎症反応や痛みが体に余分な負担をかける可能性があります。
低侵襲な施術(針を使わないレーザーやダウンタイムが少ない機器治療など)から始めることで、こうしたリスクを抑えやすくなります。
「いきなり大きな施術」ではなく、体の反応を確認しながら段階的に進めるという考え方が、持病がある方にとっての基本姿勢です。
④体調の安定性について医師と確認する

施術の可否を判断する軸は「今この時点での体調の安定性」であり、これは主治医と美容クリニックの医師、両方に確認することが重要です。
同じ病名であっても、直近の検査値・治療の進行状況・体調の波によって、施術の適切なタイミングは変わります。
体調が不安定な時期は、施術を延期することも積極的な選択肢として持っておきましょう。
定期的に通院している場合は、主治医の定期受診を終えた後のタイミングで美容クリニックに相談するのが理想的です。
「先週の血液検査では問題なしです」といった最新の情報を持参できると、美容クリニックの医師も判断しやすくなります。
⑤緊急時&長期的に対応できるかを確認する
万が一の体調急変に対応できる体制が整っているクリニックかどうかも、持病がある方が医療機関を選ぶ際の重要な基準です。
初診カウンセリングや問い合わせの際に、以下のような質問をしてみることをおすすめします。
・「アレルギー反応や体調急変時の対応はどうなっていますか」
・「施術後のフォローアップはありますか」
・「近隣の病院と連携していますか」
持病がある場合は、単発の施術で終わりではなく、長期的なフォローをしてくれるかどうかも選択基準のひとつです。
大学病院の美容科や形成外科は、複雑なケースや緊急時への対応環境が整っていることが多く、持病がある方にとっては安心感のある選択肢になり得ます。
かかりつけの病院に美容科・形成外科がある場合は、まずそちらに相談するのもひとつの方法です。
【持病・状況別】美容医療の可否と注意点
ここで紹介する内容は、あくまで一般的な目安であり、個人の病状・服薬状況・治療経過によって判断は大きく異なります。
必ず主治医と美容クリニックの医師に相談したうえで判断してください。
自己判断での施術は避けるようにしましょう。
妊娠・授乳中(産前産後)
■妊娠中
不要不急の美容医療は原則として控えることが推奨されます。
胎児への薬剤の影響、ホルモン変化による皮膚反応の予測困難さ、麻酔リスクなど、通常では問題にならない要素が複合的に絡み合うためです。
【避けたほうがよいとされる主な施術】
・ボトックス注射
・ヒアルロン酸注入
・レーザー治療
・医療脱毛
・ケミカルピーリング(特にサリチル酸・トリクロロ酢酸)
■授乳中
施術ごとに安全性の判断が異なります。
ボトックスは母乳への移行量が少ないと考えられていますが、安全性を完全に担保するエビデンスは限られています。
ヒアルロン酸注入・レーザー脱毛・アートメイクについても安全データが十分ではなく、個別の医師判断が必要です。
グリコール酸や乳酸を用いた低濃度ピーリングは禁忌とまでは言えないとされる場合もありますが、延期を検討するほうが無難でしょう。
■産後・授乳終了後
検討できる施術は増えますが、ホルモンバランスが安定するタイミングは個人差があるため、再開のタイミングは医師に確認してください。
肥満体型

BMIが25を超える場合は注意が必要で、30以上では手術内容によっては施術が制限されることもあります。
肥満がある場合に考慮すべきリスクとして、以下が挙げられます。
■気道管理の問題
脂肪組織が気道周辺に蓄積することで、麻酔中の呼吸管理が難しくなる場合があります。
特に全身麻酔を伴う施術では慎重な評価が必要です。
■感染・血栓リスクの上昇
血流が滞りやすく、皮下脂肪が厚い部位では感染が起きやすくなることがあります。
長時間の手術後は深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)のリスクも高まります。
■麻酔薬の蓄積
脂肪組織は麻酔薬を吸収しやすい性質があるため、覚醒が遅れたり、術後の眠気が強くなる場合があります。
糖尿病・高血圧などの生活習慣病を合併している場合は、それらの状態についても事前評価が必要です。
手術を伴う施術を検討する際は、血液検査を含む術前評価を受けることが勧められます。
精神疾患(ADHD・ASD・うつ・不安障害など)
精神科的な持病があっても、症状が安定していれば美容医療を検討できるケースがあります。
ただし、以下のような点について事前に確認・配慮することが重要です。
■身体醜形症(BDD)
外見への過度なこだわりが特徴である身体醜形症がある場合、美容施術がかえって症状を悪化させる可能性があります。
術前に丁寧なカウンセリングを行うことが国際的にも推奨されています。
■ADHD・ASD
施術の説明を理解し同意するプロセスを、丁寧に時間をかけて進めることが必要です。
感覚過敏がある場合は、麻酔クリームの使用や照明・音環境への配慮について、事前に美容クリニックに相談するとよいでしょう。
■うつ・不安障害
症状が不安定な時期は施術を延期することが望ましく、安定している時期を選びましょう。
術後に「思ったような結果にならなかった」と感じることで不安が強まるケースもあるため、施術への期待値を適切に管理しておくことが助けになります。
家族や信頼できる人など、術後に不安を相談できる相手が身近にいると安心です。
痛みへの耐性が低い場合、処置中にパニック発作や不安発作が起きる可能性も考えられます。
麻酔科医が在籍するクリニックであれば、より細やかな対応を相談しやすいでしょう。
■服薬中の注意点
一部の抗うつ薬(三環系など)や抗精神病薬は光線過敏性を高めることがあります。
また、施術に使用される麻酔薬と向精神薬の間には相互作用(呼吸抑制・血圧不安定など)が生じる可能性があります。
レーザー治療や光治療を受ける前に、服薬内容を美容クリニックの医師に必ず伝えましょう。
高血圧・心疾患
服薬等の管理で状態が継続して安定していれば、多くの美容施術に対応できるケースがあります。
ただし、血圧が不安定・高値の状態での施術は出血リスクや麻酔リスクを高めるため、十分なコントロールが前提です。
施術後、麻酔の効果が切れる際には、緊張や痛みによって血圧が一時的に上昇することもあるため、術後にも血圧の変動に注意してください。
■抗凝固薬・抗血小板薬を服用中の方へ
ワーファリン・アスピリン・クロピドグレルなどを服用している場合、施術中・後の内出血・出血リスクが上昇します。
ただし、自己判断での休薬は血栓リスクを高める危険があります。
施術の侵襲度と血栓リスクを総合的に判断したうえで、持病の主治医・美容クリニックの医師が連携して服薬の継続・中止を決定します。
■ペースメーカー装着者の方
高周波(RF)を使用する機器(ハイフ、ラジオ波など)は、種類によってはペースメーカーへの影響が懸念されます。
機器ごとの禁忌確認が必要です。
レーザー脱毛については心臓デバイス装着者でも可能な場合がありますが、主治医・施術医の確認が必要です。
糖尿病
糖尿病や術中・術後の高血糖状態は、感染リスクや創傷治癒遅延と関連することが複数の論文で報告されています。
コントロールが良好(HbA1cが一定の基準内)であれば施術可能なケースもありますが、以下の点に注意が必要です。
・創傷治癒の遅延(傷の回復が通常より時間がかかる)
・感染リスクの上昇(細菌・真菌感染を起こしやすい)
・末梢循環障害(血行不良により施術部位の回復が滞ることがある)
手術系の施術は特に慎重な判断が求められます。
注入系・レーザー系は相対的にリスクが低い場合もありますが、必ず医師に確認してください。
血糖コントロールが不良な状態(血糖値・HbA1cが高値で不安定)での施術は原則避けることが推奨されます。
美容クリニックによっては、施術前に血液検査(血糖・HbA1c)の確認を求められることがあります。
てんかん
抗てんかん薬を服用中の場合、他の薬との相互作用について事前に確認しておくことが重要です。
■光感受性てんかんがある方への注意
フラッシュ光や点滅光に反応して発作が誘発されることがある「光感受性てんかん」の場合、IPL(光脱毛)や一部のレーザーは発作誘発リスクの観点から慎重な判断が必要です。
光刺激のほかにも、施術中の痛み・ストレス・疲労なども発作の誘因になる場合があります。
必要に応じて遮光ゴーグルの使用や、機器の選定について医師と相談しましょう。
発作が長期間コントロールされている場合(発作が2年以上出ていない場合など)は、施術を検討できるケースがありますが、発作が不安定な時期や薬の調整中の時期は施術を延期することが望ましいです。
また、施術中に万が一発作が起きた場合の対応ができる医療体制が整っているかどうかを、クリニック選びの段階で確認することをおすすめします。
骨粗しょう症
骨粗しょう症そのものが美容施術の直接的な禁忌となることは少ないですが、いくつかの注意点があります。
ビスホスホネート製剤(アレンドロン酸・リセドロン酸など)を内服している場合、抜歯などの侵襲的な歯科処置において顎骨壊死が起こるリスクがまれに報告されています。
美容施術との直接的な関連は限定的ですが、顔面・口周囲への施術(アートメイクの唇・口周辺など)を検討する場合は、念のため服薬内容を申告し、慎重な確認が望ましいでしょう。
また、転倒・骨折リスクがある状態での施術後は、ダウンタイム中の安静管理や体位変換にも注意が必要です。
自己免疫疾患
自己免疫疾患は種類が非常に広く、全身性エリテマトーデス(SLE)・関節リウマチ・シェーグレン症候群・皮膚筋炎など、疾患ごとに症状や治療内容が大きく異なります。
そのため「自己免疫疾患だから」という一括りの判断ではなく、病名・活動性・服薬状況を個別に評価することが必要です。
免疫抑制剤やステロイドを長期使用している場合、免疫が抑制された状態にあるため感染リスクが高まります。
また、一度炎症が起きると鎮静するまでに時間がかかることもあります。
活動期(症状が悪化・不安定な時期)は施術を延期することが強く推奨されます。
寛解期・安定期であれば、低侵襲な施術から慎重に検討できるケースがあります。
SLEなど光線過敏を伴う疾患では、レーザーや光治療は症状を悪化させるリスクがあります。
皮膚科主治医と美容クリニックの医師が連携したうえで、適応を慎重に判断する必要があります。
がん治療後(寛解後)
がん治療終了・寛解後は検討できる施術の幅が広がりますが、治療終了からの期間と体の回復状態によって判断が異なります。
■放射線照射を受けた部位への注意点
放射線治療を受けた皮膚は長期的に脆弱化している場合があります。
照射部位へのレーザー照射や針を使う施術は、皮膚の状態を慎重に確認したうえで判断する必要があります。
■抗がん剤治療後の皮膚の変化
抗がん剤治療後は、皮膚・粘膜が敏感になっていることがあります。
低刺激・低侵襲な施術から段階的に始めることが推奨されます。
■ホルモン療法中(乳がんなど)の方へ
ホルモン療法中は肌の乾燥・敏感化が起こりやすいため、施術の種類と強度を調整することが重要です。
担当の腫瘍科・主治医との連携が特に必要です。
なお、「治療が終わった」ことと「体が完全に回復した」ことは必ずしもイコールではないため、体の回復状態を確認しながら進めることが大切です。
【施術別】持病がある場合のリスクと選び方
ここでは、代表的な施術ごとに、持病がある場合に注意すべきリスクと選び方のポイントを整理します。
ご自身の状態と照らし合わせながら、どの施術が現実的な選択肢となるのかを確認していきましょう。
アートメイク

アートメイクは、専用の針で皮膚に色素を入れる施術です。
タトゥーよりも浅い層(表皮〜真皮上層)に施術しますが、針を使う以上、感染リスク・出血リスクが伴います。
持病がある場合の注意点は以下の通りです。
■抗凝固薬服用中・免疫抑制状態・コントロール不良の糖尿病
感染・出血リスクが上昇するため、施術前に主治医に相談してください。
糖尿病や免疫抑制状態では、軽微な施術でも感染が広がるリスクがあり、初期症状が分かりにくいケースもあります。
また抗凝固薬を服用している場合、にじむような出血が続くことで色素定着にも影響が出ることがあります。
■ケロイド体質・皮膚疾患がある部位
施術によって症状が悪化するリスクがあるため、原則として避けることが一般的です。
■アレルギー体質
使用する色素(顔料)に対するアレルギー反応が起きる可能性があるため、成分の確認が必要です。
■MRI検査が必要な疾患の方
アートメイクの一部の色素は、MRI撮影時に発熱・画像への影響が起こる可能性があるため、事前に持病の主治医に相談・申告しましょう。
■てんかん・精神疾患で体動が懸念される場合
施術中の体の動きが施術精度や安全性に影響するため、事前にクリニックと相談しましょう。
アートメイクは「医療行為」であり、見た目の変化以上に感染管理と安全性の担保が重要になります。特に持病がある方では、傷が小さく見えても体の反応は健常時と同じではない可能性があります。
持病がある場合は、出血や感染、治りやすさを中心に判断します。抗凝固薬を服用中の方は、必要に応じて主治医と休薬の相談をお願いしています。
糖尿病や自己免疫疾患の方は、状態が安定しているかが重要です。アレルギーやケロイド体質の方も事前に確認し、場合によっては施術を控えることがあります。
妊娠中やがん治療後の方は、安全性を優先して個別に慎重に判断します。
「美容目的だから軽い施術」と捉えず、医療行為としてのリスクを理解したうえで、主治医と施術医の両方に相談してください。
レーザー治療(シミ取り・脱毛)

レーザーや光を使う施術は、多くの持病がある方でも比較的検討しやすい施術のひとつです。
ただし、以下のリスクには注意が必要です。
■光線過敏性を高める薬を服用中
一部の抗生物質(テトラサイクリン系など)・抗うつ薬・利尿薬などは光線過敏性を高めることがあり、通常の出力設定でも予期せぬ炎症や色素沈着が起こることがあります。
レーザー治療を受ける前に、服薬内容を必ず申告しましょう。
■光感受性てんかんがある方
発作誘発リスクの観点から慎重な判断が必要です。
■糖尿病・自己免疫疾患・ステロイド使用中
施術後の皮膚回復が遅れる可能性があります。
色素沈着や炎症後の回復に時間がかかるケースもあるため、照射レベルや施術間隔を調整することが推奨されます。
■放射線照射後の皮膚へのレーザー照射
皮膚の状態が変化しているため、通常の照射設定がそのまま適用できるとは限りません。担当医との慎重な判断が必要です。
■ペースメーカー装着者の方
レーザー脱毛は機器によっては可能な場合もありますが、使用機器の電磁干渉(EMI)特性を確認したうえで主治医・施術医が判断します。
■妊娠中の方
美容目的のレーザー/IPLは安全データ不足のため、延期したほうがよいでしょう。
レーザー治療は比較的低侵襲とされる一方で「皮膚に熱エネルギーを与える治療」である点は変わりません。持病がある場合、この熱刺激に対する反応や回復力が通常と異なる可能性があります。
光過敏を起こす薬を使用中の方(一部の抗生物質や抗うつ薬等)や、全身性エリテマトーデスなど、光で悪化する疾患がある場合は、施術を控えていただくことがあります。
また、必ず施術を受けられないというわけではございませんが、糖尿病の方は基本的に傷の治りが遅くなる可能性があり、抗凝固薬を内服されている方は内出血が出やすくなります。光てんかんの既往がある場合は、原則として施術を控えていただく場合があります。
機器の種類だけでなく、ご自身の体の状態に合わせた照射設定ができる医師や医療機関を選びましょう。
注入治療(ヒアルロン酸・ボトックス)

注入系の施術(ヒアルロン酸注入・ボトックスなど)は、比較的ダウンタイムが少ない施術として知られていますが、持病がある場合には以下の点に注意が必要です。
■抗凝固薬・抗血小板薬服用中の方
注入による内出血・出血のリスクが上昇します。休薬の可否は主治医に確認してください。
■コントロール不良の糖尿病・免疫抑制状態の方
注射部位の感染リスクが通常より高まるため、施術前に病状の評価が必要です。
■神経筋疾患(重症筋無力症・ALSなど)がある方
ボトックスはボツリヌス毒素を有効成分としており、神経筋接合部に作用します。
重症筋無力症・ALSなどの神経筋疾患がある場合には、全身性の筋力低下・嚥下障害・呼吸障害などのリスクが高まるため、慎重な評価が必要です。
これらの疾患がある場合、ボトックスは原則として禁忌とされることが多いです。
■自己免疫疾患がある方
ボトックスは皮膚の自己免疫疾患への悪影響が比較的少ないとされています。
ただし、ヒアルロン酸注入については、遅発性の炎症・硬結(グラニュローマ)などの報告があるため注意が必要です。
■アレルギー疾患がある方
製剤成分(ヒアルロン酸の架橋剤、ボトックスの賦形剤など)に対するアレルギー歴を必ず申告してください。
■妊娠中
ボトックス・ヒアルロン酸注入は一般に避けることが推奨されます。
授乳中については医師の判断で許容されるケースもありますが、エビデンスが限られるため個別相談が必要です。
注入治療は体内に異物を入れるという点では、持病がある方にとって無視できないリスクがあります。
特にヒアルロン酸は、遅発性の炎症やしこりが数週間〜数ヶ月後に出現することがあります。免疫の状態が不安定な方では、こうした反応が強く出る可能性も否定できません。
ボトックスについては、嚥下や呼吸に関わる重要な機能に影響する可能性があるため、慎重な判断が必要です。
また、内出血と感染のリスクを確認します。
抗凝固薬を服用中の方は内出血が出やすいものの、施術自体は可能なことが多いです。
糖尿病や自己免疫疾患の方は状態が安定しているかを確認します。
ボトックスは神経筋疾患がある場合、症状が悪化する可能性があるため基本的には控えていただいております。
なお、妊娠中や妊活中の方への施術は、当院では基本的に行いません。
外科治療
■切開を伴わない施術の場合(埋没法・糸リフトなど)

「メスを使わない」という表現がされることもありますが、針や糸を使用する施術であるため、リスクがゼロではありません。
抗凝固薬服用中・糖尿病・免疫抑制状態では、感染・出血・治癒遅延のリスクが上昇します。
また、局所麻酔などを使用するため、麻酔薬アレルギーの既往は必ず申告してください。
ダウンタイム中の安静が必要になるため、持病の状態と照らし合わせた検討が必要です。
外科的処置に近いため、出血・感染・創傷治癒を重視しています。
抗凝固薬の方は血腫リスクがあるため、主治医と相談のうえで判断します。
糖尿病や自己免疫疾患の方は、状態によっては延期をおすすめすることがあります。
ケロイド体質の方は瘢痕リスクについて事前に説明します。
がん治療後や妊娠中の方は、安全面を考慮して慎重に適応を判断します。
■メスを使用する施術の場合(クマ取り・脂肪除去など)

手術系の施術は、持病がある場合に最も慎重な判断が求められる領域です。
術前の血液検査(凝固機能・肝腎機能・血糖など)が必要になることが多く、特に心疾患・呼吸器疾患・睡眠時無呼吸症候群がある場合、麻酔リスクの評価が特に重要です。
糖尿病・自己免疫疾患・ステロイド使用中では、感染・治癒遅延のリスクを術前に医師と共有してください。
大学病院の美容科・形成外科など、緊急対応ができる環境での受診を検討することもひとつの選択肢でしょう。
美容クリニックでの手術を希望する場合は、まず主治医に相談したうえで、対応可能な医療機関を一緒に探すことからはじめることをおすすめします。
持病がある場合は「施術ができるかどうか」だけでなく「安全に受けられる環境が整っているか」をしっかり見極めたうえで美容クリニックを選ぶ必要があります。
万が一の合併症にも対応できる医療機関を選ぶことで、リスクを現実的にコントロールすることができます。
持病がある方の美容医療を考えるときのポイント
美容医療を通じて「治療前の自分」や「なりたい自分」を取り戻すことは、QOL(生活の質)の向上という観点から意義ある選択です。
持病があるからといって美容を諦める必要はなく「どのように選ぶか」という視点で考えてみましょう。
ダウンタイムが少ない施術から段階的に検討し、体の反応を確認しながら進めることで、安全性を確保しやすくなります。
理想的なのは、主治医・美容クリニック医師・本人の三者で情報を共有することです。
医療機関選びも重要であり、内科連携のあるクリニックや大学病院を選択肢に入れることで、より安心して施術を検討できるでしょう。
また施術の前後だけでなく、日常の体調管理も含めてトータルで考えることが大切です。
体調が優れない日は無理をせず、キャンセル料金を支払ってでも予約を変更する判断も必要になります。
美容は外見の変化だけでなく、自分自身を大切にする行為です。
安全性を最優先にしながら、自分にとって納得できる選択を重ねていくことが、結果的に満足度の高い美容医療につながります。
美容を「ぜいたく」や「病気が完全に治ってからのこと」ではなく、今の自分を大切にする手段のひとつとして捉えることは、けっして間違いではありません。
きれいでいたいという気持ちは、病気の有無に関わらず、当然あなたが持っていてよい気持ちです。
「無理なく、自分に合った方法で」
その道筋を見つけるために、まずは主治医と相談したうえで美容クリニックへのカウンセリングで相談してみましょう。

この記事は、弁護士の監修のもと、医療広告ガイドラインを遵守して制作しております。
この記事では、一部にイメージ画像(AI画像含む)を使用しています。

私自身、痛みにとても敏感なタイプです。そのため、まずは自分で施術を受け、不安や痛みをどうすれば少なくできるのかを常に研究してきました。
実際の施術では、痛みを感じやすい箇所ではお声がけをし、必要に応じて麻酔の調整を行い、腫れやダウンタイムをできる限り抑えられるよう配慮しています。あなたの不安に寄り添ったサポートをお約束します。
