近年、美容医療の分野では毎月のように新しい医療機器や薬剤が登場しており、本当に自分の肌やお悩みに合う施術を見つけるのはより難しくなってきています。
脂肪溶解注射は、手軽に部分痩せができる美容医療として以前から注目されていましたが、最新の製品ではより少ない回数で効果が見込めるものも数多く登場し、脂肪吸引との比較がされるほど魅力的な選択肢の一つとなってきました。
今回は、脂肪溶解注射の基本から効果、注意点までを丁寧に解説します。
●脂肪溶解注射とは
脂肪溶解注射は、脂肪細胞を溶解するような成分を含んだ薬液を、脂肪を減らしたい部分に直接注射し、溶解させることで体外に排出する痩身治療です。脂肪細胞が変形したセルライトにも効果を発揮します。
代表的な成分としては、デオキシコール酸、フォスファチジルコリン等があります。一般的には、デオキシコール酸の濃度と、腫れの強さや効果の高さにはある程度の相関性があります。
当院では、
①浮腫みや腫れが約2-3日と少ないが3-5回程度の回数を必要とし、少しずつ効果を実感するカベリン
(デオキシコール酸濃度 0.5% 一回の脂肪溶解率は約3-5%)
②腫れ等の反応が強く出る(個人差や一回の使用量にもよるが最大約2週間程度)が、より少ない回数で効果を発揮するFat X Core
(デオキシコール酸濃度 1% 一回の脂肪溶解率は約7-9%)
こちらの2種類のご用意があります。
なお、記事執筆時(2024年8月時点)Fat X Coreよりデオキシコール酸が高い製品もいくつかありますが、サンプルを取り寄せスタッフの協力のもと複数回の検証を行ったところ、現時点では脂肪の減少の程度だけで言うとFat X Coreを超える製品は確認できず、効果と副作用等のバランスを熟考した上で、当院ではこの2種類を採用しています。
●施術の流れ
まず医師によるカウンセリングを行い、ダウンタイムがどれぐらい取れるかや、左右差の有無、その他ご要望等に応じて製品の種類や量を見極めます。
当院では、入り口が分からないほど細い針で刺入口を作った後、更に細く先の丸い、マイクロカニューレという特殊な長い針を使って、ゆっくりと薬液を浸透させていきます。これにより、内出血や痛み、不快感は最小限に抑えられ、均一で最大限の効果が望めます。(当院では、カニューレ等の使用による追加のオプション料金などの設定はございません。)
注射された成分は脂肪細胞の細胞膜に作用し、脂肪が分解されます。その後、分解された脂肪はゆっくりと体外へ排出されます。効果を実感するには、数週間から場合によっては1-2ヶ月を要する場合もあります。
●脂肪溶解注射は金ドブ?
以前の脂肪溶解注射の多くは、脂肪細胞の細胞膜を溶かす主成分であるデオキシコール酸が十分な量多く入っておらず(当院で採用しているカベリンやFat X Coreの何千〜何万分の一以下のものも多く存在)、腫れこそ少ないですがあくまでその周辺の血液やリンパの流れを改善し、多少スッキリしたように見せるような作用しかなく、その影響もあり“脂肪溶解注射は金ドブ”というイメージがありました。しかし、さきほどご説明したカベリンやFat X Coreのような新しい脂肪溶解注射では、ある程度の効果を一度で実感できる方も少なくありません。
●脂肪吸引との比較
◆脂肪溶解注射
【メリット】
1. 非外科的アプローチ
- 手術を伴わず、極細針による注射のみで脂肪細胞を分解するため、体への負担が少ない
2. ダウンタイムが短い
- 施術後の回復が早く、日常生活に支障をきたしにくい
3. 手軽
- 施術が短時間で終了し(数分程度)、事前の準備や術後のケアが少ない
4. 緩やかな変化
脂肪の減少のスピードは比較的緩やかであり急激な皮下組織のボリュームの減少がない為、皮膚が弛みにくい
【デメリット】
1. 複数回の施術が必要
- 脂肪溶解注射は通常、複数回の施術が必要であり、結果が現れるまでに時間がかかることがある
(あくまで目安ですが、効果を実感するまで、カベリンの場合平均3-5回、Fat X Coreだと2-3回の注入が推奨されています。)
2. 効果の個人差
- 効果には個人差があり、期待したほどのボリュームダウンが見られない場合もある
3.コストの問題
- 複数回の施術が必要なため、完全に満足行く仕上がりになるには、部位などによっては脂肪吸引よりもトータルの費用がむしろ高くなる場合がある
◆脂肪吸引
【メリット】
1.即効性
- 一度の施術で脂肪減少が得られるため、即効性があると言える
2. 適応が広い
- 脂肪吸引は広範囲にわたる脂肪除去が可能であり、脂肪の量が多い場合や広範囲の脂肪を減らしたい場合等は脂肪吸引の方が向いている事が多い
【デメリット】
1. 外科的手術である
- 脂肪吸引は手術を伴い、部位などによっては全身麻酔を使うことが多く、これに伴うリスクや合併症の可能性がある
2.ダウンタイムが長い
- 手術後の回復に数週間から数ヶ月かかることがあり、術後のケアも必要になる場合がある
3. 副作用が強い
- 術後に広範囲の痛みや腫れ、内出血が発生することがある
4. 費用
- 一回にかかる費用がどうしても脂肪溶解注射より高くついてしまい、経済的な負担が大きい
5. 技術力
- 術者によって仕上がりが大きく左右され、効果が不十分であったり不満がある場合でも修正や再手術が難しいこともある
◇まとめ
脂肪溶解注射と脂肪吸引には、それぞれ長所と短所、向き不向きがあります。脂肪溶解注射はお痛みやリスク、ダウンタイムが短く、お顔など比較的狭い範囲の部分痩せにはより適していますが、それでも複数回の施術が必要な場合があります。一方、脂肪吸引は一度の施術で大幅な脂肪の減少が可能であり、即効性がありますが、外科的な手術を行う為、ダウンタイムが長く、費用も高いことが多いです。また術者によって大きく結果が違い、仕上がりに不満がある場合でも修正や再手術が困難な場合もあります。
また、治療を受ける際は、適切な量や種類を見極め、リスク、ダウンタイムについてもしっかり説明のある、信頼できるクリニックや医師を選ぶことが大切です。施術後は適切なアフターケアを行うことで効果を最大限に引き出し、副作用を最小限に抑えることができます。
ご参考にしていただければ幸いです。
また、僕自身がとても痛みに弱い為、まずは自分で施術を受けてみて、どうしたら不安や痛みが少なく安心して施術を受けていただけるかを研究しています。
得意施術
特徴の違う様々な糸やヒアルロン酸、手打ち注射、ボトックスや各種最新の機械を駆使したたるみリフトアップ、アンチエイジング、小顔フェイスデザイン
糸リフト3000症例以上
芸能関係の方からの指名も多数